この記事は、これまでに一度も”食材としての豚耳”に触れたことのなかった私が、初めてスーパーの冷凍食品売り場で原型をとどめたままの豚耳を購入し、下処理および調理を行って(甘辛煮にしました)、食するまでを記録したものです。
- 豚耳を自分でも調理してみたいと思っているので、全体の流れをイメトレしておきたい
- 豚耳の下処理はどんな感じですればいいのか、雰囲気を知りたい
- 豚耳の下処理~実食までを疑似体験してみたい
- コラーゲンたっぷりの料理を食卓に取り入れてお肌つやつやになりたい
- ご近所さんから丸のままの豚耳をいただいたけれど、どうしていいかわからなくて途方に暮れている
ちなみに私は今回、豚耳1つあたり約100円で入手しました。
豚耳(ミミガー)が好物な方は、自分で丸のままの豚耳を買ってきて調理すると、お財布にもやさしく一気にたくさんの豚耳料理が作れて、ハッピーになれること間違いなしですね。
では、よろしくお願いします!
(↓目次から興味のある箇所に飛んでいただくこともできます)
目次
豚耳を入手する
そもそも私がいつも素通りして気付かなかっただけで、多分その陳列棚には、ずっと豚耳が積まれていたのだと思います。
月2回くらいの頻度で訪れるスーパーだけれど、なんとなくいつも買うもののパターンは決まっていて、よく見て回るコーナーもあれば、あまり足を運ばないエリアもあり……
ホルモン系の冷凍肉が中心に並べられたその陳列棚は、これまで子細に眺めたことのないコーナーの一つでした。
なんとなくはそこにどんなものが置かれているのかは知っているけれど、特に足を止めることもなく、だから豚耳がそっくりそのままの形を保った状態で販売されている事にも、今まで気付かなかったのです。
ところで私には、疲れていて判断力が鈍っている時に、スーパーでなかなか買うべき食材を選べずに、いつまでもぐるぐる店内を彷徨ってしてしまうというクセがあります。(過去記事:「そして私は「豚々拍子」に食べたかったものをカゴに入れていったのでした」参照)
あのときもちょうどそんな状態で、もうすでに同じ場所を三回くらい行ったり来たりしていたので、一旦人の流れが少なそうな場所で気持ちを落ち着けることにしました。
比較的閑散としたエリアに身を移して一息ついたとき、ふと視線を落とすと、平べったくて少し湾曲した、なにやら白っぽい物体がたくさん積み重なっているのが目に入ってきました。
この不思議な商品は一体…?とよく見てみると、ラベルには「国産豚耳」と記載されています。
――豚の耳!!!
それは1枚あたり、100円ほどで販売されていました。
以前同じシチュエーションに陥ったとき、「豚々拍子」という豚肉の入ったお弁当との出会いによって悪循環な状況を打破したことのあった私は、その瞬間ピンときました。
――困ったときの豚。
これは運命なのだ。
私の気持ちは、目の前に積み重ねられた豚耳の方へと、自然と惹き付けられていきました。
そんなこんなで、人生初・原形のままの豚耳を買って調理してみようチャレンジを行うことになったのでした。
買ってきた豚耳は、こんな感じです。
生々しすぎるのが苦手な方もいらっしゃるかと思ったので、あえてビニールを取る前の状態で裏側から撮影していますが、それでも原型をとどめているのはなんとなくわかってもらえるかなと思います。
それでは以下、本当に正しいやり方か確証はありませんが、入手した豚耳の触感や雰囲気を見ながら、こんな感じかな……と私なりに調理してみた記録になります。
入手先によってどのような状態で販売されているか(どの程度の下処理まで済んだ状態か)異なる可能性がありますので、絶対にこの通りにすれば間違いない!というわけではありませんが、興味のある方は参考までに読んでいただければと思います。
豚耳の下処理を行う
準備したもの
- 豚耳 1つ
- 塩 1掴み
- ショウガ 1カケ
- ネギの青い部分 1本分
ショウガとネギの青い部分は、臭い消しのために用意しました。
スーパーで売られている冷凍豚耳が、一般的にどの程度の下処理までされているものなのかよくわからないもので、絶対に必須かどうかまでははっきりいえませんが、まぁあるに越したことはないでしょう。
下処理の手順
- 冷蔵庫で解凍しておいた豚耳を流水できれいに洗い、その後更に、全体に熱湯を流しかける
- 鍋に豚耳と、豚耳がひたひたになるくらいの量の水・塩・ショウガ・ネギの青い部分を入れて、30分くらい火にかける
- ざるに開け、豚耳を食べやすい大きさにカットしていく
豚耳は、前日の晩から冷蔵庫に移して解凍しておきました。
冷凍の段階では、カチコチだったので手に取ってもそこまでの生々しさはなかったのですが、解凍されると、一気にこう……、”ふにっ”っとした弾力感がよみがえって、(ほんとに、耳だ……)ということが、触感からよりリアルに伝わってきます。
心臓がドキドキいい始めましたが、あのとき自分が買い物カゴに入れたからには、食材としてのこの豚耳にきっちり最後まで向き合うのだと、覚悟を固めます。
始めに流水で洗うとき、入り組んだ耳の穴付近は、なるべく丹念に洗うようにしました。
あともし毛が残っていたら、コンロの火で炙って焼き切らなきゃなぁ……と思っていたのですが、解凍した豚耳を触ってみたところ、裏も表もツルンとしていて、特に毛の処理をする必要はなさそうでした。(一安心でした……笑)
↓この状態で火にかけて、三十分ほど煮ていきます。
(豚耳の一部に、どうしても湯に浸からないでっぱり部分があったので、途中で一度ひっくり返しておきました。)
~三十分経過後~
臭み消しが終わったあとは、こんな感じに切り分けました。
包丁で切る際、添えた方の手に豚耳の表面が思いっきり吸い付いてきて、食べる前からはっきりと感じるコラーゲンの塊っぷりに驚かされます。
耳の穴付近の盛り上がった部分を切るときは、特に手が滑りやすいので指を怪我しないよう注意が必要ですが、それでも思っていたよりはスムーズに切り分けることができました。
(包丁が入らない!ってほど硬い箇所はなかったです。)
この段階で、一切れ分だけポン酢に付けて味見してみたのですが、ぷるっ+コリッの食感のコンボがまさにミミガー……!
いける……、これはこのままでも、充分いけるぞ……!!!
ここから一気に自信が出てきて、調子よく次の工程に進みます。
〈豚耳(ミミガー)の甘辛煮〉のレシピ
さて、どうにか豚耳の下処理がいい感じにできたっぽいので、ここからいよいよ目標の甘辛煮にすべく、更に手を加えていきます。
材料
- 下処理をして切り分けた豚耳 1枚分 ☆
- ショウガ スライスしたのを数枚 ☆
- ニンニク チューブのを3㎝分くらい※ ☆
- 水 1カップ ☆
- 酒 50cc ☆
- 醤油 大さじ2 ☆
- みりん 大さじ1と1/2 ☆
- だしまろ酢 大さじ1 ☆
- ネギの青と白の中間あたりを刻んだやつ 適量
※ニンニクは、あれば欠片のを入れてもよいと思います!
今回は家になかったのでチューブタイプのを使ってみました。
作り方
- 鍋に☆印のついた材料(ようはネギ以外)を全部投入して火にかけ、30分ほど煮込む
- ネギの青と白の中間あたりを刻んだやつを追加投入し、更に5分ほど煮込んで完成
途中で煮込み汁がなくなってきたので、水と酒を少しずつ足しました。
【完成写真】
――甘辛い味がしみて、照り輝く豚耳。
耳先端の薄い部分は”ぷるっ+コリッ”のバランスが比較的安定していて、リズミカルに噛み進められます。
一方、付け根付近のぶ厚い部分は、切り分け方によって、ぷるっぷるにとろけるものもあれば、軟骨のコリコリとした歯応えが中心の切れ端もあり……、
一切れ口に運ぶたび、新しい食感との出会いがあって、どんどんクセになります。
「豚耳」とくくられた部位の中であっても、場所によっていろんな食感があるのがおもしろいですね。
これは、晩酌のあてにも最高でしょう……。
今朝はまだ原型をとどめていた豚の耳と、半日がかりで向き合ってここまで調理したんだと思うと、静かな感動が沸き上がってきました。
ちなみにすぐに食べない分は、蓋つきの保存容器に入れて冷蔵庫で保管しておいたのですが……
ほらこの通り……
煮汁もろとも固まって、傾けてもびくともしません!笑
豚耳のコラーゲンっぷり、半端ないです。
まとめ
というわけで、以上、人生初の豚耳料理チャレンジの様子をお届けいたしました。
初めてにしては、なかなかうまくいったのではないでしょうか。
主に下処理の工程では、勇気を振り絞らなくてはならない場面もありましたが……
初めて手にする「食材としての豚耳」の存在感に緊張しつつも、変わりゆくその姿・手触りを確かめながら、一つひとつの手順を踏んで、ようやく無事食卓に運ぶことができたときは感無量でした。
生きていた頃の形の一部が残っていたことや、初めて触る食材だったことが影響しているのだと思いますが、今回の調理中は、食材と私、一対一の世界に没入しているような感覚が、いつもより強くありました。
触り慣れた食材を調理するのに比べると、今回精神的な労力をより多く費やしたことは間違いないですが、その過程を経たこことで、料理として完成したものを噛みしめる感動も大きいものになったのだと思います。
最後に。
スーパーで豚耳の置かれていた隣のポジションには、豚足も売られていたので、今度はまた豚足料理にもチャレンジするつもりです。
いつになるかはまだ未定ですが、その際はまた豚耳との違いを中心に詳細をまとめられたらなぁと思っています。
ではまた!
最後まで読んでくださってありがとうございました♪
【追記(2021/11/2):豚足にも挑戦しました!】
豚足の調理に挑戦してみた記録 / 下処理→甘辛煮~切り方のコツも!~