大学生の頃、構内のパン売り場に時おり110円で「パン耳サンド」なるサンドイッチが売られていた。
余った耳の有効活用のために作られていたのであろう「パン耳サンド」は、安さに加え、なんといってもその”噛み応え”が特徴的で、普通のふわふわサンドイッチと比べると5倍くらいの咀嚼回数が必要だったんじゃないだろうか。
常に二つ一組の状態で売られており、具材はポテトサラダかたまごサラダのいずれか。
ほぼランダムで、「ポテト×ポテト」「ポテト×たまご」「たまご×たまご」3通りの組み合わせがあった。
二つの味が楽しめた方がありがたいので、「ポテト×たまご」のパン耳サンドを110円でゲットできた日はとてもうれしかったのを覚えている――
今回はそんな〈パン耳サンド〉を彷彿させる、私にとってどこか懐かしのトーストレシピを紹介します。
目次
〈パン耳deポテトグラタン風トースト〉の作り方
【材料】
- 食パンの端(耳部分)のスライス
- ポテトサラダ(今回は市販のを使用)
- とろけるチーズ
- (お好みで)胡椒やパセリ
【作り方】
- 食パンの耳は、焼き色の付いた側を下面にして、表の中央辺りを指で軽く押してくぼませておく
- ポテトサラダをまんべんなく乗せ、更に上からとろけるチーズをのせる
- トースターでチーズがとろとろになり軽く焦げ目がついてくるまで焼き、仕上げにお好みで胡椒やパセリをかける
私は仕上げにブラックペッパーをかけてあるけれど、ある人は乾燥パセリを散らしても良さそう。
パン耳の可能性について
秋の気配にうれしくなって、今日は朝から一時間ほどの長めのお散歩をした。
それでいつもより遅めの朝ごはんとなってしまい、お腹ペコペコで帰宅した後、なにかガッツリめに食べようと食材を探っていると、冷凍に残されていたパン耳(ちょっとぶ厚め)を発見し、今日こそ出番だ!と思ったのだった。
ガッツリめの朝ごはんやお昼ごはんに、食パンの耳って実はなかなか良いものだ。
食パンの耳は多くの場合、サンドイッチを作った後に余ったけど捨てるのも勿体ないし、まぁ寄せ集めてラスクにでも……みたいな扱いを受けがちだけれど、その物質的な頑丈さを利点とすればいろんな可能性が開けてくるんじゃないかと思う。
食パンの耳を「食べられる受け皿」のように使えば、土台としての安定感が抜群なので、好きな具材をもりもり乗せられるし、多少汁気のある総菜と合わせるにしたって、裏側からすぐに染み出てしまうようなリスクも少ないと思う。
顎は疲れるかもしれないけれど、裏側が全面耳である分、噛むたびごとに香ばしい香りが楽しめるという、ふわふわ部分の食パンにはない要素もある。
土台自体の食べ応えを考えると、上に乗せる総菜はしっかりとした味付けのものだと相性がよさそうだ。
ポテサラの代わりに、味のよく浸みた二日目の肉じゃがを軽くつぶしたものを使ってもおいしいんじゃないだろうか……などと想像が膨らんでいく。
今回思い付きで作った〈パン耳deポテトグラタン風トースト〉は、大学生の頃食べていたポテサラの「パン耳サンド」と比較して、”チーズあり”の”熱々”バージョンという贅沢ポイントもあって、なかなか満足度が高かった。
食パンを一斤の塊で買う機会があれば、あえて耳の箇所が厚切りになるように切り分けて、がっつりお食事用に取っておくのもありだなぁなんて思ったりしたのだった。
最後まで読んでくださってありがとうございました♪